
(さて、今日も先生のところにプログラミングを教えてもらいに行こうかな・・・)

健太く~ん。どこ行くの?

よぉ! 佐々木・・・
これから、プログラミングの勉強しに行くんだよ。

プログラミング?
そんな教室が近くにあったんだ。

いや、教室ではないんだけどね。
そうだ! 佐々木、知らないか・・・
平日の昼間とか近所の公園をふらふらしている、おじさん・・・
あの人がプログラマーで、僕にプログラミングを教えてくれる事になったんだよ。

えっ? あの人・・・
あんな怪しい人がプログラマーな訳ないじゃない。
やめた方がいいわよ。だまされているわよ。

う~ん・・・
でも言っている事はまともだと思うんだよなぁ。

じゃぁ・・・いろいろ教えてもらったんだ。
もうプログラミングは出来る様になったの。

いや。始まったばかりだから、まだプログラミングのところには行っていないんだよ。

う~ん。やっぱり怪しいわね。
いいわ・・・私も一緒について行ってあげる。

え~! いいよ。ついて来るなよ!!

いいから。いいから。さ、行きましょ。
・・・

こんにちは。佐々木真美 (ささき まみ)です。

ごめんなさい。ついてきちゃいました。

健太君もすみにおけないなぁ。
こんなに可愛い彼女をつれてきちゃって・・・

かっ 彼女って・・・・
冗談じゃないですよ。誰がこんな奴と・・・

そうよ! 私と健太君は、幼なじみなんだから・・・

幼なじみが付き合っていない理由にはならないだろう。
お幸せに、お二人さん・・・

き~~っ!
なんて、デリカシーのない人なの・・・ 大っ嫌い!!

ところで、先生・・・
今日のプログラミングなんですけど・・・・

ごめん。健太君・・・・
僕、お腹すいちゃったんだ・・・
丁度、彼女もいる事だし、
一緒にカレーでも作ってきてくれないかい・・・

だ、か、ら・・・彼女じゃないって言っているのに・・・
でも、分かりました・・・作ってきますよ。
佐々木・・・行こう。

えっ?! なぜ私まで・・・嫌よ。

ごめん。頼むよ。
俺一人でカレー作るの自信ないし・・・

仕方がないわね。わかったわよ。
・・・

先生・・・お待たせしました。
(大半は佐々木にやってもらったけど・・・)

おぉ・・・これは美味そうだ。
いただきまぁす。

食べ終わったら、教えてくださいよ。先生・・・

うまい、うまい・・・・ うん。分かったよ。

(いい歳して、ガツガツ食べちゃって・・・だから太っているのね。)
・・・

あ~うまかった。
ごちそうさま。

先生、今日は何を教えてくれるんですか?

そうだね。
今日は「なぜプログラミングが必要か?」という話をしよう。
健太君はプログラミングっていうのは何の為にすると思うかい。

う~ん・・・
ゲームとかのソフトウェアを作る為ですか?

うん。そうだね。
実は、コンピューターというの最初はただの機械の箱にしか過ぎないんだ。
それを、自分の思い通りに動かす為にソフトウェアが必要で、プログラミングはそれを作る為に必要なんだ。
だから、プログラミングというのは、結局はコンピューターという機械の箱に
自分のやって欲しい事を伝える為の手段なんだよ。

なるほど・・・

では、健太君・・・今度は質問を変えるね。
プログラミングはなぜ必要なのかい?

えっ?! なぜ?

さっき、プログラミングはコンピューターにやって欲しい事を伝える為の手段だと言ったよね。

はい。言いました。

僕はさっき、健太君にカレーを作ってもらった。
そこでプログラミングは必要だったかい?

いえ。「作って」て言われただけですから・・・

だから、健太君にカレーを作ってもらう時にはプログラミングは必要ない訳だ。
では、なぜコンピューターにやって欲しい事を伝える為には、プログラミングが必要なのか? その理由が分かるかい?

確かに・・・やって欲しい事をやってもらうって意味では共通していますね。

コンピューターが何も知らないからじゃないかしら?

えっ?

だって、田中さん、さっき言ったじゃない。
コンピューターっていうのは最初はただの機械の箱だって・・・
だから、最初は何も知らない、何もできない・・・ だから「プログラミング」っていうので手順を説明する必要があるんだと思うわ。
だって、私や健太君がカレーの作り方を知らなかったら、田中さんはカレーの作り方を一から説明する必要が出てくる訳でしょう。

うん。その通りだね。
・・・ って、何? この子 ・・・優秀だね。

僕と違って頭いいんですよ。

何はともあれ、プログラミングっていうのは
何も知らない「コンピューター」っていう子供に、
やって欲しい事を一つ一つ伝える・・・・ ただ、それだけの事に過ぎないんだ。
だけど、その伝え方を覚える為には、コンピューターの特性を知っておく必要がある。
健太君と真美ちゃんは、コンピューターにはどの様な特徴があると思うかい?
例えば、「速い」とか「記憶力がいい」とか・・・

確かに、処理速度はすごく速いですね。
ハードディスクで情報をどんどん保存できるから記憶力もいい。
・・・ あとは、いくら動いても「疲れない」とか・・・

あと、良いところではないけど、
暑いところが苦手とか、日本語が苦手だとか・・・

日本語が苦手って?

だって、「カレー作って」っていう風に頼めないんでしょう。

うん。その通りだね。
あとは「機転が利かない。」というのがある・・・・
挙げるとこんな感じかな?
長所 | 短所 |
● 処理速度が速い。 ● 記憶力が凄い。 ● 疲れない。 |
● 暑いところが苦手。 ●日本語が苦手。 ●機転が利かない。 |

機転が利かないというのは、どういう事ですか?

例えば、さっき僕が健太君にカレーを作る様に頼んだ時、健太君はカレーライスを持ってきたよね。
そして、スプーンも一緒に持ってきた。

まぁ・・・カレーと言えば普通カレーライスで、スプーンを使って食べますからね。

だけど、コンピューターの場合は「カレーを作って」と言ったら本当にカレーしか作らない。
ご飯にそれをかけて欲しい時も、スプーンが欲しい時も いちいち教えてあげないといけないんだ。
これは、コンピューターが何も知らない・・・というところに実は原因があるんだ。
例えば、健太君はカレーといえばカレーライスというのは、生まれた時から知っていた訳ではない。
それは、これまで健太君が生きてきた人生の経験で身に付いたものだからね。
・・・ コンピューターっていうのは、そういう経験というものが全くない・・・いわば赤ちゃんと同じ状態なんだ。

なるほど・・・・
その何も知らない赤ちゃんに伝えるのが、プログラミングな訳ですね。

その通り・・・
健太君も自分より小さい子供がいて、その子が何も分からなかったら分かる様に丁寧に一つ一つ教えていくだろう。
プログラミングっていうのは、それに似ているね。

(確かに、まったくのインチキではなさそうね。
でも、これで納得した訳じゃないんだから・・・)
まとめ
コンピューターは凄い能力を持っているが、何も知らない赤ちゃんと一緒・・・
それに、やって欲しい事を伝える為にプログラミングがある。