
ところで、先生・・・
早速、プログラミングを教えてほしいんですけど・・・

ちょっと、待って!
その前に、プログラミングを身に着けていく上で
凄く大切な事があるんだ。
・・・ところで、健太君は算数は得意かい?

えっ・・・算数?
得意ではないなぁ。
プログラミングって算数が出来ないと無理ですか?

出来るにこした事はないけど、重要なのはそこじゃない。
もし、必要な部分が出てきたら、そこで復習すればいいだけだからね。
ところで、健太君は、なぜ算数が得意ではないんだい?
学校の先生が言っている事が分からないとか・・・

いや、学校の先生の言っている事は分かるんですけど、
テストになると問題をどう解いて良いのか分からないんですよ。

なるほど・・・
でも、それは算数だけではなくてプログラミングでも
起こり得る事なんだ・・・
本に書いてある事は分かる。人の説明は分かる・・・
でも、実際に自分で作ろうとしたら、何をやっていいのか分からない・・・
って感じだね。

うわぁ。それは嫌だなぁ。
それを防ぐ手段ってあるんですか?

うん。それには「知識の三段階」っていうのを
理解しておかなくちゃいけない。
プログラミングも知識の一つだけど、その知識には三段階あるんだ。

「知っている」「分かっている」「できている」・・・なるほど。
「できている」が他と違うとは分かるんですが、「知っている」と「分かっている」ってどう違うんですか?

例えば・・・健太君は既に僕の事は「知っている」よね。
では、僕の事は「分かっている」かい?

あっ! そういう事か・・・
確かに、僕は先生と既に会って知っているけど、でもまだ会ったばかりだから、どんな人とか、何が好きとか・・・そういう事は分からないですね。

うん。そういう事だね。
では、何故 健太君が算数が得意でないかというと・・・

そうかぁ・・・
僕は学校の先生の言っている事はまだ分かるから「分かっている」までは行っているけど「できている」までは行っていないって事なんですね。

その通りだね。
だから、プログラミングは理解して終わりではなくて
最後の「できている」・・・ここまで行っているかどうかを
常に意識して欲しいね。
せっかくプログラミングを学ぶのだから、
分かるだけでなく、自分でいろいろ作れた方がやっぱり楽しいからね。
そして、算数の方もこれを意識しておくと・・・健太君、算数得意になるかもしれないよ。

はい。算数はともかく、プログラミングは頑張ってできる様になりたいです。
ところで、プログラミングって簡単に覚えられますか?

僕は「簡単」だとは言わない・・・
確かに、僕たちプログラマーと呼ばれる人は ごく自然に当たり前の様に普段プログラミングをやっている。
当然、昔は初心者だったから今の健太君と同じ様に勉強を始めたのだけど、実際に覚えてみると・・・「あっ、こんな事で良かったんだぁ」という事も多い。
そして、「簡単にできるプログラミング」みたいな名前のついた本や講座もたくさんある。
でもね。それでも、一つの事を覚えて使いこなす様になるというのは、そんなに簡単な事じゃないんだ。
そこには「絶対にできる様になる」という意思と、そして努力が絶対に必要になるんだよ。

そうかぁ・・・やっぱり、大変なんですね。

でも、覚えてしまえば「あっ、こんな事だったんだぁ」と思うはずだよ。
健太君は僕のところにプログラミングを学びに来た・・・つまり「できる様になりたい」って思ったんだよね。
それだけで、君にはプログラミングが出来る様になる才能があるって事なんだよ。
プログラミングは決して、選ばれた人だけが身に付ける特殊能力なんかじゃない。
望めば、誰でも手に入る ・・・そういうものなんだ。

なんか希望が持てました。
僕、絶対に頑張りますね。
まとめ
知識には三段階ある。分かって終わりではなくて「できる」様になる事を意識しよう。